いつでも

なんだか今日はつまらなかった…
あいつとケンカしたからだ。
理由なんて他愛もないことだった。 昨日から口を聞いていない。



〜昨夜、千聖と舞の部屋〜

「舞ちゃん、ここにあったお菓子知らない?」
「食べたよ〜。おいしかったよ。」
「また?!何で勝手に食べちゃうの?!」
「置いてあったんだもん。食べるでしょ。」
「千聖のだったのに!聞いてくれれば良かったじゃん!」
「知らないよ!あったから食べたんだもん!そんなに大事なら名前書いときなよ!」
「はぁ?!逆ギレ?舞ちゃんいつもそうじゃん!勝手に食べたくせに責めたら逆ギレ?もういいよ!」

バァン!
千聖はドアを思いっきり閉めて部屋を出ていってしまった。

(…なんだよ!あたしが悪いの?勝手に食べたの舞ちゃんなのに!)

その日の夕食
「あれ?あんたたちいつも隣同士なのにどうしたの?」
離れて座っている千聖と舞を見て舞美が聞いた。
「別に…」「別に…」
二人共同じ答えだった。
「ふーん。ケンカしたのか。ま、どうせすぐに仲直りするんでしょ。」
舞美はいつものことだと思い、気にしない。

(今回は違うもん。舞ちゃんが謝るまで仲直りなんてしないもん!)
千聖は心の中で誓っていた。


その夜、舞が部屋にいると愛理が枕を持って入ってきた。
「愛理、どうしたの?枕持って。」
「千聖がさ、しばらく部屋替わってって言うからさ、替わったの。」
「ふーん、まぁいいけどさ。」
「ねぇ舞ちゃん、なんでケンカしてるの?」
「…あたしが、千聖のお菓子勝手に食べた…。」
「なんだ、舞ちゃんが悪いんじゃん。はやく謝っちゃいなよ。」
「ヤダ…。千聖が悪いんだもん!置きっぱなしにしてた千聖が悪いんだもん!」
舞はフトンを頭からかぶって寝たふりをしてしまった。

「二人共強情だなぁ。ま、心配ないか。」
愛理も心配していなかった。この二人のケンカは大丈夫だとわかっているから。

次の日の朝も千聖と舞は目も合わせなかった。

「行ってきます…」
いつもは元気いっぱいに舞と出ていく千聖が、今日は一人で出ていった。

家から出ると、隣の清水さん家の佐紀が登校するところだった。
「千聖、おはよう!あれ?今日は一人なの?」
「おはよう、今日はちょっとね。」
「ふーん、行ってらっしゃい!気をつけてね。」
「は〜い!」
千聖は精一杯元気に返事をして佐紀と別れた。


一人で歩いていると同じ景色も違って見える…何かが足りない…いつも隣にいる舞ちゃんがいないだけで…。

学校でも千聖は上の空、友達が話しかけても気のない返事だった。
放課後、クラスの男子といつものようにサッカーをやってもミスを連発だった。
「千聖!お前今日どうしたんだよ。なんかヘンだぞ!」
男子の一人が言った。
原因はわかってる。舞の応援がないからだ。舞の応援は千聖にとって何よりも効く元気の素。
「あぁ…ゴメン…。…今日はもう帰るわ…。」
「えっ?まだ大丈夫だろ?」
「…ゴメン。また明日。」

一人家路につく千聖。
いつもなら舞といろんな話をしながら帰る帰り道、一人だと寂しくていつもの何倍も長く感じる。
(もう仲直りしちゃおうかなぁ…。舞ちゃんがいないとつまんないなぁ。)

♪〜♪♪♪
千聖の携帯がなった。着信音は大好きなアニメの主題歌、舞と同じ着信音だ。

(メールだ、舞ちゃんからだ!)
千聖の顔に笑顔が戻った。
[かわいい服みつけたよ!一緒に買いに行こう(・∀・)]

(フフッ、舞ちゃんらしいなぁ。ちゃんと謝ったことなんてないんだから。しょうがない許してやるか。)
[いいよ!]

その日の夕食はいつも通り隣同士に座った。
「あら、仲直りしたの?いつものことながら早いわね。」
舞美は二人に言った。
「「だって仲良しだもん。ねえ〜〜」」
二人は満面の笑みで答えた。


次の日曜日、二人は服を買いに来ていた。
「千聖!これ!この青い服!かわいいでしょ?」
「え〜?こっちの赤の方がかわいいんじゃない?」
「こっちのほうがいい!」
「こっち!」
…いつもこうだ。舞ちゃんと買い物に来るとこうなる。…でもいいんだ!舞ちゃんが隣にいる。ケンカしたってすぐに元通り、いつも一緒。

…そう、これからもずっと!
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